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序章



『……なぜ貴様には終わりがある? 黒の魂よ』
 ひいやりと背筋の凍るような声音で、女は嘆いた。
 男は黙ったまま、何もいわない。ただ、無感情に女を見下ろしているだけ。
『なぜ私に終わりは用意されなかったのだ? なぜ世界は私を創った!』
 次第に錯乱していく女の姿を、男は滑稽に思い、笑った。
『無駄な嘆きはやめとけよ。人生楽しく生きた方が得だぜ?』
『黙れ、黒の魂。貴様に何が解る。先の見えない未来を生きることがどれほどの苦痛をあたえるかっ』
『ふん。解りたくもねぇよ』
 男は嘲笑した。女は歯噛みする。
 もうずっと長い時間を、二人は共有してきた。
 強大な力を得た二人は、永遠の時間すらも手に入れた。
 けれど、あまりにも長すぎる生は、狂気にしかならなかった。
『私は終焉がほしい。終わりを望む』
『……そんなに死にたいか』
 男の言葉に、女は頷いた。
 その答えに、男はニヤリと笑む。面白いゲームでも思いついたような表情。
『いいぜ。お前が俺の出した条件をクリアしたら、お前に終わりをやろう』
 男の台詞に、女はピクリと反応を示す。
 視線が交錯する。沈黙が流れた。
 そして男は、ゲームの開始を告げる。
 一人の少女の人生を変える、残酷なゲームを。





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